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2012年04月20日

伊賀川桜堤

4月17日は伊賀川の堤防に私財を投じ吉野桜、右近桜など2,600本を植え「伊賀川桜堤」の景観を造られた佐々木今朝吉(ささき けさきち)さんが旅立たれた日です。 伊賀川の桜は良く紹介されますが、今回桜堤を苦労して造った佐々木今朝吉さんと博さん、稲垣和夫さんの事を昭和40年の4月21日の新聞に掲載された記事で紹介します。

岡崎市観光協会」は「約1,700本のソメイヨシノが、岡崎城のある岡崎公園一帯と伊賀川堤を中心に咲き誇ります。」と紹介しており1,700本の内訳をお聞きしたところ伊賀川堤が700本、岡崎公園が600本、乙川は400本だそうです。佐々木さん達の市への功績は絶大です。

伊賀川桜堤
ほぼ無風で伊賀川が水鏡になりました。

伊賀川桜堤
満開は過ぎており、春のやさしい風が吹くたびに静かにひらひらと散り始めました。

中日新聞昭和40年(1965)4月21日朝刊の三河版に掲載された記事を原文のまま紹介致します。
見出しは  「花ふぶき浴びて葬列 伊賀川桜堤の功労者佐々木翁、土に帰る」
町の花咲かじいさん――岡崎市伊賀町七ノ三、石油販売業、佐々木今朝吉さんがなくなり二十日葬儀が営まれた。佐々木さんが植えた伊賀川堤の桜はことしも美しく花をつけ、多くの市民を楽しませた。多くの人に惜しまれながら佐々木さんの遺体は遺言どおり、花ふぶきの桜並木の下を通って土に帰っていった――。

佐々木さんが“伊賀川堤に桜を・・・・・・”と思い立ったのは昭和十四年のことだ。翌十五年が紀元二千六百年になるので記念事業にと二男の博さん(三四)親類の稲垣和夫さん(四三)とはかって決めた。すぐ京都の苗木商にとんで交渉、吉野桜、右近桜など二千六百本の苗木をゆずり受けることにし、つぎつぎに送ってもらった。

佐々木さん親子、稲垣さんは、県河川課の許可を取り、苗木がつくたび、なれぬ手つきで、くわを振るった。こうして十四、五年の二年がかりで、伊賀橋から稲熊町までの伊賀川堤防二キロ間の両側に二千六百本の桜の若木が植えられた。だが三人の仕事はこのあともたいへん。

不心得者のいたずらで痛めつけられた若木の補植、施肥と長い作業がつづいた。

三年後、佐々木さんらの努力で苗木はすくすく育ち、初めて花をつけた。そして二十年にはどの木も美しく咲き、敗戦に打ちひしがれた市民を勇気づけた。伊賀川堤はいまでは老木が多い岡崎公園の桜より美しく、桜の新名所として市民から親しまれている。

佐々木さんは三十六年の市制記念日に市から篤行者として表彰された。表彰状には、私財を投じて伊賀川堤に桜を植え、大切に育てたとあり、佐々木さんは“花咲かじいさん”と呼ばれた。

佐々木さんは先月初め、腸へいそくで病の床につき、十七日夜、六十九歳でなくなった。数年前から「わしは桜が満開のとき死ぬ」ともらしており、なくなったとき伊賀川堤の桜は満開だった。

葬儀は二十日午後二時すぎから自宅で営まれ、太田市長もとくに出席して「伊賀川堤の桜は大事に守っていきます」と霊前に誓った。そして佐々木さんの「桜の下を通ってほしい」の遺言どおり、葬列は静かに花が散る伊賀川堤を進んでいった。

撮影日  平成24年4月15日
撮影場所 伊賀町
投稿者  シモン

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Posted by 岡崎市まちづくりデザイン課 at 08:30│Comments(3)自然の風景
この記事へのコメント
高校3年間は毎日伊賀川沿いを自転車で通学し、当たり前のように感じていましたが、こんなエピソードがあったとは知りませんでした。こうした人達の努力と苦労があってこそ、現在の美しく優しい景観が生まれているのですね。
Posted by スズキ at 2012年04月20日 23:03
シモンさん  御無沙汰しております
富士の自宅に戻り、2ヵ月になろうとしてます
私も この伊賀川の桜の満開をしっかり撮影し
シモンさんのようjに 水面に桜の花びら・・・同じ撮影をしてます
シモンさんとは 限りなく 気が合いそうですね~(笑)
お弁当を食べてる家族を見かけ 嬉しく思いました
私は いつも ルーク(愛犬?)と一緒に出掛け
のんびりできないまま 帰ります(笑)
この伊賀川・・・・少し のんびりしたかもしれません
岡崎の桜・・・追っかけましたよ~
楽しかった~奥山田・・・どうでしょうね~
今年は ちょっと慌しく、桜の追っかけが出来ませんでした
来年はやってみようと思ってます
シモンさんの活躍を期待します
メールもお受けいたしますよ~
Posted by TERU at 2012年04月21日 01:48
こんばんはスズキさん

私も「個人が植えた」ということくらいしか知りませんでしたので、調べて本数に驚くとともに感動したの
で投稿した次第です。

また管理維持は岡崎市と桜まつりを協賛する商店や企業、伊賀川桜保存会、地域住民の理解と協力
があっての「伊賀川桜堤」だと思いました。



こんばんは鬱金桜TERUさん(=鬱金桜のように美しいTERUさん)

引越しされて、落ち着かれたんですね。相変わらずアグレッシブ、またお元気そうで何よりです。
私、昨年の4月21日はTERUさんお勧めの鬱金桜を見る為に上地八幡宮へ参拝に出かけた日ですよ。
年月の経つのは早いですね。
Posted by シモン at 2012年04月21日 22:30
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    コメント(3)