景観を読み解く031
明代橋から西方面を望む
明代橋から東方面を望む
視点場(明代橋上)
岡崎の中心市街地を東西に貫流する「乙川」。
丘陵地を浸食した河岸段丘の地形により、河川敷においては窪地というか盆地のような印象を持つほど、乙川は実は深い。一方で河川空間の幅は、分断というよりも、むしろ包まれ感や一体感のある印象を受け、開放的でスケール感のバランスが良い河川空間を構成しています。
東岡崎駅からまっすぐ北に歩いてすぐの「明代橋」やその上流にある「吹矢橋」、下流にある「殿橋」。これらの橋からの眺めは、川の流れを間近に見ることができ、それらを近景に遠くの山々を背景に、蛇行する河川線形と市街地とが、程よい見え方で一体となった景観を望めます。川が深いためか、橋の上では、高台にある展望台のごとく、開放感があって、安心感があって、市街地のなかにあって、身近に自然を感じる、そして「岡崎らしさ」を感じる空間となっています。
市街地のなかにあって、よほど高いビル等からまちを見下ろさなければ、まちのイメージの把握はできないことが多いですが、はじめて「岡崎」に訪れた人が、東岡崎駅を降りて北にしばらく歩き、明代橋から見たまちの景色は、「岡崎」というまちを印象づけるのにとても重要なものといえるでしょう。
他都市でも市街地を河川が貫流しているところはたくさんあります。
訪れた際に、橋の上で「乙川」との印象の違いを体感すると、よりいっそう「乙川」の河川空間の程よさが実感できると思います。
撮 影 日 平成22年6月
撮 影 場 所 明大寺町(明代橋)/
地図
投 稿 者 キノシタ
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